某マンガアプリで「何かおもしろいのないかな~」と物色していたところで見つけたマンガ。
その名も「Dジェネシス ダンジョンができて3年」
ふーん、よくあるダンジョンものか~どれどれ
と読んでみたところ激ハマり。
え?おもしろいじゃん
そもそも社畜の私は、同じような境遇にある登場人物に共感しやすいです。
この主人公も上司と取引先の板挟みになったところから物語が始まります。
うんうんわかるよ~。話のわからない上司っているよね
「部下の手柄は俺のもの。俺の失敗は部下のもの」
そうなんだよ。こういうやつが出世するんだよ。
もっと上の上司って担当者から直に話聞かないしね。
まじめな社畜が評価される社会になってほしいよね。
作品情報
Dジェネシス~ダンジョンができて3年~
○ジャンル
異世界・ダンジョン
○作者
原作 :之 貫紀(この つらのり)
コミカライズ :平 未夜(たいら みよ)
キャラクター原案:ttl
○連載
月刊コンプエース連載中
○既刊
コミック版1~5巻 最新刊6巻(2024年8月26日)
小説版 1~8巻 最新刊9巻(2024年7月30日)
原作は小説家になろうで連載してました。
カクヨムさんに移籍中で、原作者さん曰く、転載したら続きを書くそうです。
Dジェネシスはもともと小説
「Dジェネシス」はもともと、小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されていた作品です。
いわゆる「なろう系」ともちょっと旗色が違います。
転生も転移もしない。
「小説家になろう」で人気を得て、書籍化、コミック化したものです。
あらすじと世界観
あらすじ
取引を打ち切られたのを、上司に自分のせいにされてしまった主人公「芳村圭吾」。
無茶苦茶だ
成功したら俺の力で失敗したらお前のミス?
なんでそんな奴が上の職にいるわけ?出典:Dジェネシス1巻
取引先からの帰り道、途方にくれていたところ、偶然車で何かをひいてしまい、
ダンジョン探索者の証明である「Dカード」を手にします。
「Dカード」を手に入れ、目の前には奈落にも見えるダンジョンの亀裂が突如として出現。
やれやれと、疲れ切り、もたれかかったトラックから、大量の鉄筋を地割れ目がけて落としてしまいます。
そうして、なぜか目の前に現れたアイテム「スキルオーブ」。
これ・・・・
スキル・・・オーブ・・・?出典:Dジェネシス1巻
しかしこのオーブには様々な特殊な力があり、それを駆使して入手した「異界言語理解」を巡る各国の駆け引きに巻き込まれていきます。
世界観
分類するなら、「異世界ダンジョン系ファンタジー」。
Dカードを手にし、ダンジョンで敵を倒すことによってSP(スキルポイント)を得て成長します。
ただし、探索者は自分のステータスを見ることができませんし、SPをステータスに割り振ることもできません。
ただし、例外を除いて。
もし計測できるようになったら———
ものすごくお金になりますよ
出典:Dジェネシス1巻
また、モンスターを倒すと一定確率でスキルオーブを入手し、「水魔法」などのスキルを身に着けることができます。
ゲームや異世界に馴染みのある人にとって、入りやすいストーリーです。
キャラクター
主人公「芳村 圭吾」
大手素材メーカーの研究職で検証大好き。
ブラックな企業をいつ辞めてやろうかと思いながらも日々ブラックな上司に耐えて勤務しています。
偶然手にしたオーブを使い、ダンジョン探索者として生きていくことを決意します。
パートナー「三好 梓」
芳村の後輩「三好梓」は同じ会社の開発部ホープとして将来を嘱望されている身。
特に数理解析に抜群の能力を発揮します。
芳村のオーブスキルの有能さに気づき、これを元にして、ダンジョン探索で抜群の能力を発揮します。
主人公のスキルは三好がいてこそお金に換えられます。
二人の掛け合いがとても軽快でおもしろいですよ。
あとこの二人、信じられないほど高額のお金を手にするんですが、その過程もすごくおもしろいです。
三好がいてよかったね。
Dジェネシスの見どころ
だたのダンジョン攻略ものではないところがいいです!
成長するだけの話ではなく、読み進めるごとに謎が深まります。
ストーリー展開が秀逸
「このオーブを手に入れることが本当に日本のためになるかな?」
引用:Dジェネシス5巻
この作品の見どころは、スキルのチートを利用した、いわゆる「俺Tueeee!ヒャッハー」ではありません。(そういう側面もありますが。)
「異界言語理解」をめぐっての各国の動きがとてもおもしろく、読みごたえがあります。
実際、政治上の駆け引きは現代社会でも行われているんでしょうけど、Dジェネシスはその辺を見事に表現していますよね。
ゲームシステム
「うそだろ・・・加減が全然わからないぞ」
引用:Dジェネシス3巻
「Dジェネシス」は、ある日突然地上に姿を現したダンジョン探索が中心のストーリー。
Dカードの所持者はSTR、INTなどのステータスを身に着けます。
芳村はステータスを上げすぎた結果力の加減がわからない状態に・・・。
ダンジョンで得られるアイテムやスキルオーブ、魔石などは現実では考えられないほどの効果を持っており、
世界の国々が我先にとチームを送って探索を進めます。
モンスター討伐で得られるアイテム、スキルオーブ、スキルポイントによる成長など、ゲームのシステムに似通ったところがあり、ゲームや異世界ものが好きな方には親しみやすいです。
深まる謎
ダンジョンパッセージ説
百二十八層を超えるダンジョンは繋がった世界へと渡る『通路』となるらしい
引用:Dジェネシス2巻
このダンジョン、各国に出現するのですが、実は
「地球をテラフォーミングするために魔素を送り込む装置」である
というトンデモ理論が浮上します。
これを裏付けるためには、「異界言語理解」というスキルオーブを入手し、ダンジョン内にある「碑文」を解読する必要があります。
現在のところ、このスキルを得ているのはロシアの探索者1名だけ。
碑文を利用し、自国に都合のいい情報を、あたかも「碑文」を解読して得た情報であるとして
世界に広めることで、ダンジョン探索における各国のパワーバランスを操ることもできてしまいます。
この「異界言語理解」をめぐって争奪戦が繰り広げられます。
誰がダンジョンを作ったのか?
作中で芳村はある仮説を思いつきます。それは
「ダンジョンのデザインをしたのは地球人だという可能性でしょうか」
引用:Dジェネシス3巻
ということ。
実際、ダンジョンの1層ではスライム、2層ではゴブリンなど地球人におなじみのモンスターが出現します。
地球の文化を知らなければデザインしようがありません。
うーん興味深い
また、ダンジョン内で発見した文字文字が
「まるで当時の文献に触れたAIが古典ヘブライ語もアラム語も同じ言語として学習したみたい」
というところから、ダンジョンの設計にはAIが使用されている可能性が高いということです。
と、謎は深まるばかり。
レビュー
芳村と三好
「ちげーよ!お前俺をどんな目で見てるんだ」
「こんな目ー」
引用:Dジェネシス2巻
芳村はサラリーマン時代に三好の教育係だったためか、二人の間に変な遠慮がありません。
三好は結構な美人なのに芳村は興味ないんですかね~
もったいない。
恋愛関係というより、よきパートナーという感じで、遠慮のない二人の掛け合いが本作の魅力の一つです。
芳村の力を存分に利用して上手にお金に替える三好。
持ちつ持たれつです。
いい大人世代におススメ
「—よし!」「検証だ!」
「了解!」
引用:Dジェネシス5巻
主人公たちが研究者ということもあって、能力の検証やセリフに少しクドイところがあります。
でも大人世代にはそこがよかったりします。
法律、税金、各国の関係性など、小中学生にはちょっと難しく感じると思います。
サラリーマンを経験している世代には、「実際自分だったらこう考えるだろうな。」
と主人公たちに共感できるところがとても魅力を感じます。
まとめ
「Dジェネシス」は、異世界転生ものやゲーム的なシステムが好きな読者にとって、親しみやすく非常におもしろいと思います。
リアルに作られた世界観など、とても引き込まれます。
気軽に異世界ファンタジーを楽しみたい方には、ぜひチェックしてほしい一冊です。
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