2013年にビットコインが誕生して以来、その価格は急激な高低はあるものの、高騰し続けてきました。
一躍有名になったのは、マウントゴックス事件。
その後2017年はいわゆる「仮想通貨元年」として、アルトコインブームが到来し、またその年の12月には1ビットコイン200万円を超える高値をつけました。
その後2018年には30万円程度まで下落し、ビットコインバブルは一旦終わりを迎えました。
しかし、水面下では、仮想通貨の将来性や魅力を信じ、やがて来るであろうトークンコミュニティを夢見て仮想通貨、特にスマートコントラクトの技術に着目した新しいサービスやコンテンツが生まれました。
そこで、暗号資産(仮想通貨)にはどのようなサービスやブームが起こったのか振り返ってみたいと思います。
暗号資産(仮想通貨)の転換点
振り返ったところで需要あるん?
どうだろう?どちらかというと自己満足だな。
2017年は、暗号資産(仮想通貨)にとって、その後の発展の礎となる出来事が多い年でした。
最も注目すべきは、法律の整備です。平成29年4月に施行した、「資金決済に関する法律(資金決済法)」で初めて、仮想通貨の定義がなされました。
このころはまだ暗号資産って言わなくて、「仮想通貨」だったんだよね。
「仮想通貨」の方が馴染みがあるけどね
当初、資金決済法では「支払手段」
それまでの仮想通貨は、通貨なのか、金や銀のようなものなのか、定義が定まっておらず、電子空間にあるものをそもそも法で規制できるのか?などいろんな議論がありました。
また、国境はあるのかないのかなどの議論が活発に行われており、どのように法律で規制されるのか決まっていませんでした。
2017年に初めて「仮想通貨は支払手段である」ということが規定され、資金決済法の範疇であることが明記されたよ。
「支払手段である」ということが定義されて以降、それまでは登録の必要がなかった、いわゆる仮想通貨の交換所と取引所が「登録制」に移行し、帳簿記録などの保存が義務付けられました。
登録をするまでの間は、「みなし交換業者」として営業は可能でしたが、最終的に帳簿記録を作成できない、顧客資産の安全性が確保できていないなどの理由で登録をあきらめる業者が多く淘汰されていきました。
まあ一種のふるい分けだよね。
当時は、金融庁が「証券業者と同レベルのセキュリティと記録保存を求める!」としていたね。
今では健全な業者が残っているということになるから、ユーザーにとっては良かったのかもね。
とはいえ、登録の基準は厳しく、新しく交換業者として開業するには、資金力のある企業が参入するか、既に登録を終えている交換業者を買収するかのほぼ2択の状態となっています。
海外の交換業者が日本に進出する場合は、買収の手段がとられていたね。
2017年の主な出来事
・ハードフォーク
・チャイナショック
・アルトコインブームなど
あったな~ハードフォーク
ハードフォークブーム
ハードフォークとは、ビットコインの承認機能が遅いなどの理由で新たにバージョンアップした新しい仮想通貨を、ビットコインのチェーンを元に作ろうという動きでした。
ビットコインのブロックチェーンをコピーして分岐させ、ビットコインキャッシュが誕生するなど、一種のブームのようなムーブメントを起こしました。
「ビットコインキャッシュこそが真のビットコインである」という者も現れ一時期ビットコイン市場は混乱しました。
ロジャー・バーとか、ジハン・ウーとかね
ビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンドとか、なんでもありだったよね。あのブームは今となっては何だったんだろうね。
チャイナショック
チャイナショックとは、2017年当時、それまで仮想通貨の価格をけん引してきた中国が仮想通貨を禁止したことによる大暴落です。
たしか9月に大暴落したんだよねぇ。今では誤差でしかないけれども
8月に60万だったけど、12月で220万円だからね。2024に1,000万円になるなんて当時だれが予想できたろう?
アルトコインブーム
2017年から2018年にかけて、ビットコイン以外の仮想通貨、いわゆるアルトコインの価格が大きく上昇しました。
ビットコインの上昇率は、2017年の1月で9万円程度。当時はここから大きく上昇するとは予想されておらず、頭打ちであるかのような様相でした。
一方、アルトコインの代表格であるイーサリアム(ETH)は、2016年に数百円程度でしたが、2017年6月には一気に4万円を突破しました。
「ビットコインよりもアルトコインの方が儲かるのではないか」と感じた投資家たちがアルトコインに注目し始めたきっかけとも言えます。
もともとイーサリアムは、新しい仮想通貨を作るための資金調達、ICO(Initianl Coin Offering)によって誕生した通貨です。
ここからアルトコインブームとともにICOブームも始まったと言えます。
ADA(カルダノ)もICOで誕生したんだよねぇ。
そのほか、ICOとは違うけど、リップルやネム、EOS、Linkなど短期的に上昇する通貨がいっぱいあったよ。リップル長者なんていう言葉も生まれたね。
2018年の仮想通貨
このころは何かあったっけ?
ビットコインやアルトコインの価格が大暴落して、ブームは去ったと思われていたんじゃないかな
2017年のビットコインなどの価格上昇は、「チューリップバブル」や「靴磨きの少年」などと揶揄され、2018年には30万円近くまで下落するなど、ブームは去ったと思われていました。
しかし、依然として水面下では、IoTとの融合や、DApps(ダップス)の開発など、新しいトークン(仮想通貨)コミュニティへの期待を胸に、開発が続けられていた時期だと思います。
IoTとの融合
仮想通貨は当時のバズワードだったIoT(Internet of Things)との相性がいいとされ、IoTとの融合が期待されていました。
IoTは冷蔵庫や電子レンジ、掃除機などあらゆる家電製品をインターネットにつなげ、その動きをビックデータとして収集し、商品開発や販売に利用するという画期的な発想でした。
これを仮想通貨と合わせ、情報を収集した機器に少額の仮想通貨を支払うという「マイクロペイメント」という考えがありました。
DAppsのゲーム
DApps!またマイナーな・・・
マイナーではないけど。まあ言葉自体はもっと前からあったよねぇ
DAppsは、分散型アプリケーションのことで、イーサリアムに代表されるようなスマートコントラクトを使ったアプリケーションの総称です。以前説明したDEXもDAppsの一部です。
DAppsを利用したゲームとしては、「Crypto Kitties」や「My Crypto Heros」などがあります。
有名なのは猫の交配ゲームである「Crypto Kitties」で、NFTの概念はこのころから根付いていたと言えます。
その後のNFTブームの先駆けともいえるゲームだよ。
2019年の主な出来事
2019年て何があったっけ?よく覚えていないな~
ありましたよ~大事なことが
改正資金決済法の施行
改正の主な内容だよ
引用:金融庁「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」概要
大事な点を簡単にいうと、
・仮想通貨は暗号資産と呼称する
・顧客資産のコールドウォレットでの保管の義務付け
・暗号資産(とFXなど)は金融商品である
ということが明記されたよ。
従前では仮想通貨は「国境を越えた通貨である」という巷の認識から、暗号資産は「価値の保存」へと認識が変化したのに不思議と時期が当てはまっていたように感じます。
また、認定資金決済事業者協会に加入していない場合も交換業者への登録拒否要件に該当することになりました。
暗号資産が金融商品てことは、もう証券会社と変わらないじゃん!ていうぐらいの規制がされたってことになるのかな。
そうそう、それと仮想通貨の事業者団体は大まかに2つあったから、「いい加減一つになりなさいよ。指導しにくいじゃん」てことを金融庁に言われていたような・・?
2020年の主な出来事
2020年は目立ったことがあったっけ?
あえて言うならDeFiブームの到来かな?
DeFiブーム
DeFi(ディーファイ)とは、「分散型金融(Decentralized Finance)」とも呼ばれます。
いわゆる、中央管理者のいる銀行などとは違い、ブロックチェーンを利用した、利用者間で行われる金融取引全般をDeFiと言います。
前に説明したDEXもDeFiの一部だね。
中央集権型金融とは、いわゆる金融機関のことです。
通常、ローンやキャッシングなどは、金融機関と顧客との間で行われます。
これに対し、DeFi(分散型金融)では、管理者のいないブロックチェーンを利用することで、個人間で暗号資産を通じて貸し借りや、デリバティブ取引、またステーキングによる利息収入などを得ることができます。
管理者がいないので、24時間取引ができるけれど、日本では普及していないため、海外のDeFiサービスを使うことになるので、リスクも大きいよ。
2021年の主な出来事
ビットコイン最高値更新
2021年は、ビットコインが最高値を更新して、ブームが再燃した年でもあるね。
イーロンマスクが、ビットコイン買ったとかでまた暗号資産が注目されたんだよね。
11月には1ビットコイン800万円に迫ろうかという勢いで上昇し、それに伴い、アルトコインも上昇しました。
特に、Axie Infinityなどのトークンは急激に値上がりし、一気にGameFiへの注目が集まった年でもあります。
NFTブーム
2021年3月にBeepleのNFTアート作品「Everydays TheFirst5000Days」が歴史的な高値である6,935万ドル(約75億円)で落札されるなど、NFTブームが到来しました。
2020年の取引市場が約100億円だったのに対し、2021年は約2兆円!
ゲームアイテムなどと相性が良いので、GameFiやBCGに広く使われているよ。
メタバースに再注目
Facebook社が社名を「Meta」に変更するなど、メタバースへ再び注目が集まりました。
もともと、メタバースの始まりは、2003年の「セカンドライフ」と言われているので、再注目という言い方をしているよ。
メタバースは、電子空間上の世界のことで、その中に自分のアバターを作り、あたかもそこで生活しているかのように、他者との交流や、会議、売買取引などを行います。
メタバースと言っても、ゴーグルをつけて電子世界に没入するものから、スマホで行うゲームなどもその範囲のため、かなり広い範囲をメタバースと言います。
メタバースもNFTと合わせてゲームとの相性がいいんだよね~
2022年の主な出来事
ビットコインの価格がまた下落し、低迷の時期に入ったよ。それの引き金になったのが、次の2大事件と言われているよ。
LUNA事件
TerraUSDというステーブルコインの暴落により、暗号資産(仮想通貨)市場が連動的に大暴落を起こした事件。
約7.7兆円が一晩で暗号資産(仮想通貨)市場から失われたといわれています。
ステーブルコインとは、ドルに連動した暗号資産のことで、1トークンあたり1USDと同価値であるようなものを言うよ。
代表的なのは、テザー社の発行するUSDT、サークル社、コインベース社のUSDCなどがあるよ。
FTXの破産
FTXの関連企業であるアラメダリサーチ社が、FTXから巨額の投資を受け、その担保として暗号資産(仮想通貨)を保有していたものの、その担保の価値がほとんどないということが明るみになった。
また、アラメダリサーチ社は、FTXの発行するFTTトークンを大量に保有し、それを担保として巨額の融資を受けていた。しかし、FTTトークンの価値をはるかに超える融資を得ていることも明らかにされたため、連鎖的に顧客からの取り付け騒ぎとなり、破産した。
FTXは当時の世界第2位の取引所で、日本のQUOINEを買収して、FTXjapanとして進出していたよ。
LUNA事件もFTX破産も暗号資産界隈では歴史に残る大事件だね。
2023年以降
Web3.0の台頭
2023年は大きな動きはなかったけれど、日本の与党が、「AI・Web3を国家戦略にする」などの提言を行っていた年だね。
「web3 ホワイトペーパー ~誰もがデジタル資産を利活用する時代へ~」という提言を、自民党議員や弁護士が参加する、自由民主党デジタル社会推進本部 web3 プロジェクトチームが立ち上げました。
弁護士と言っても、暗号資産協会に関連する弁護士たちで、全く畑違いの分野でなく、暗号資産に精通した弁護士たちで構成されています。
Web3.0の理念が、個人の情報は、ブロックチェーンを利用して個人が管理するってことなんだけど、ホワイトペーパーでは、国で保護するって言ってない?
国で管理するというより、NFTの価値などを、法で保護するってことだと思うけど。
エアドロップブーム
暗号資産の価値が低迷するなか、次のブルマーケットをにらんで、新しいプロジェクトが次々と立ち上がりました。
そうしたプロジェクトは、宣伝や、自身のブロックチェーンのテストに参加したユーザーに対し、トークンを発行するなどのエアドロップを盛んに実施してきました。
エアドロップといえば、従前はハードフォークが主流だったけど、今はブリッジ、スワップなどのテストネットや宣伝の意味合いが強くなったかな。
BCGの乱立
BCGはブロックチェーンゲームのことだね
BCGはNFTやメタバースを利用したゲームのことで、NFTゲームともいわれます。
古くはDAppsの「Crypto Kitties」ですが、元素騎士や、STEPN、Xeno、Sandboxなどあらゆるゲームがあり、ゲームを通してトークンを稼ぐ、「GameFi」という言葉も誕生しました。
特にAxie InfinityやSTEPNは一大ブームとなり、これに続けとばかりにNFTとの融合が進みました。
暗号資産(仮想通貨)市場の低迷とともに価格は下落傾向にあります。
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