メタバースとは、「インターネット上で電子的に制作された仮想空間のこと」をいいます。
メタバースの構想は、1992年の小説です。実現した初期の段階は、2007年のセカンドライフと言われており、インターネットに作られた仮想空間で、自身がアバターとなって、その空間で生活するなど、当時としては画期的でした。
しかし、ハイスペックPCが必要であったり、同接人数が少ないなどの理由で徐々に衰退していきました。
2021年にNFTがブームとなり、それを使用したブロックチェーンゲームである、「The SandBox」や「Decentraland」が認知され、またコロナ禍で急拡大したEpicGamesの「フォートナイト」などがブームになるなど、次第にメタバースが注目されました。
決定的だったのは、同年の10月にFacebook社が社名を「Meta」に変更し、今後はメタバース開発に注力することを発表したことで、バズワードとして広く認知されることとなりました。
Metaが力をいれたのはVRやARなどのハード方面な気がするな~、仮想空間はそれありきで進んでいたような。
メタバースの分類?
メタバースに分類なんてあるん?
まあ、あえて分類するならって感じだけど
ソフト:ゲーム、ブロックチェーン(NFT・暗号資産)、AIなどの融合
ハード:(VRゴーグル、スマートグラスなど)
技術 :3DCGなど技術面
それぞれ目的が異なるので、分類自体に意味はないような気もします。
ですが、一言に「メタバース」といっても、活用場所は仮想空間での会議、旅行、ライブ、ゲームなど多岐にわたるため、一旦区切って考えます。
ソフト(ゲーム、ブロックチェーン、AIとの融合)面のメタバース
メタバースは、NFTや暗号資産(仮想通貨)、AIとも親和性が高いと言われているので、それらを組み合わせたゲームが面白ければ、自然と広まるのではないかと思います。
メタバースを利用したゲームと言えば、EpicGames社の「Fortnite」やマインドクラフト。
すでに小学生の間では大人気のゲームで、スマートフォンで手軽に遊べます。
これもメタバースの一種なので、子供たちはすでにメタバースを体感しています。
メタバースがバズワードになったのは、スマートフォンの普及が大きい気がするな。
セカンドライフはパソコンでプレイするものでした。
スマートフォンの普及により、簡単にメタバースの世界に入り込めるようになったのが、時期的にもメタバースという言葉に注目が集まった要因でもあると考えられます。
Unreal Engine(ゲーム、メタバース、AIの融合)
メタバース、ゲーム、AIの融合は、例として「Unreal Engine」が挙げられます。
Unreal Engineは「EpicGames社」が提供するゲームクリエイター用の開発プラットフォームです。
「Fortnite」や「Kingdom HeartsⅢ」もUnreal Engineで作られています。
「世界2.0」の著者である佐藤航陽さんの言葉を借りれば、EpicGamesは次世代のAppleであるとのこと。
「Unreal Engine」は次のような特徴があります。
・プログラミング言語が不要で、直感的に操作できる。
・オープンワールドの制作に必要な要素はすでに用意されている。
・キャラクター作成から、その動きまでをAIで制御し、スマートな動きを再現できる。
・ハリウッド映画並みのビジュアルを再現できる。
・XR (AR、VR、MR) のサポートがある。
なんと料金は無料
ほんとかよ?って思いますが、基本は「無料」です。
が、総収益が100万ドルを超える製品は5%のロイヤリティを支払うということになっています。
無料ということは、極論言えば小学生でもゲームが売れさえすれば、年商数億も夢ではなくなります。
AIの発達により、NPCに自然な挙動とストーリー環境に合わせたセリフを自動生成させられるようになれば、そこまで労力をかけずにゲームができます。
また、CGグラフィックは実写に近いものも作成でき、アニメーションもAIで自動生成できれば一人でゲーム作れるかも。
佐藤航陽さんが、「小学生一人で数億稼ぐ時がくる」といっていますが、すでに実現間近かもしれません。
CRETA(ゲーム、ブロックチェーンの融合)
今ゲーム開発プラットフォームは、「Unreal Engine」と「Unity」が大半を占めていますが、これに割って入ろうとしているのが「CRETA」です。
カプコン執行役員第六開発部長、マイクロソフトゲーム制作部長などを歴任した中里英一郎氏が代表取締役を務め、「ストリートファイターII」や「モンスターストライク」の制作者の岡本吉起氏が、「CRETA Nexus」にて新たにゲーム開発を行うなど、これから注目されるプラットフォームです。
出典:CRETA worldよりhttps://www.creta.world/
グラフィックすごいな!これがヌルヌル動くの?
「CRETA Nexus」はCRETAトークンにより支援を受け、CRETAを通してクリエイターにサポートを行います。
支援者は、NFTなどの支援を得てゲームに参加します。
出典:CRETA HPよりhttps://creta.co.jp/archives/1103
クリエイターに向けた支援プラットフォーム「CRETA Studio」では、次のような特徴があります。
・直感的に操作できる。
・アセットの生成はクリックするだけ
・高品質の3Dを提供
・ネイティブアセットとクリエイター生成アセットの無制限データベース
それだけではなく、マルチバース、ゲーム、SNSの展開も視野に入れているようです。
また、Avalanche、Polygon、Aptos、DappRadar、Star Atlasなどのプロジェクトに関与するアメリカ企業「Republic」とパートナーシップを締結しています。
CRETAとRepublic Web3・メタバースゲームの革新に向けた戦略的パートナーシップを締結
https://jp.cointelegraph.com/press-releases/creta-republic-crypto-web3引用:コインテレグラフジャパンより
ハード(VRゴーグル、スマートグラスなど)面のメタバース
すでに普及しているスマートフォンを通して没入するメタバースは、ゲームと、AR(拡張現実)が親和性が高いと思います。
スマートフォン以外では、AR、MRなどのハードを通して参加するメタバースがあります。
ARやMRをメタバースって言っていいのかな?
全く同じではないけれど、仮想空間を構築して没入するところはメタバースと共有していると言えなくもない・・・かな。
VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)
VRゴーグルや、スマートフォンなどのデバイスを通して、現実世界と仮想世界の融合体験ができます。
これらの技術を総称して、XR(クロスリアリティ)と呼びます。
VR(Virtual Reality:仮想現実)
こういうVRゴーグル、見たことあると思います。
VRとは、ゴーグルなどのハードデバイスを装着し、バーチャルの仮想世界に入り込むものをいいます。
視界をすべてゴーグルで覆い、視界も体の動きに合わせて移動するため、仮想空間への没入度合が違います。
アニメでよくある「ソードアートオンライン」や「アクセルワールド」のデバイスの原型ね。たぶん。あれは五感全部を仮想空間につなげてるけど。
実用化されているもので代表的なのは、Meta社の提供するハード「Meta Quest」です。
このアプリでは、すでにアニメ世界への旅行や、ゲームなどがリリースされています。
また、ソフトウェアではアバターを通して交流する「VRチャット」などが有名です。
AR(Augmented Reality:拡張現実)
ARは、現実と仮想世界の融合です。
現実世界をスマートフォンなどのデバイスで読み取り、仮想的に拡張する技術のことです。
一時期ブームとなった「ポケモンGo」もARですね。
あれは現実の風景をスマートフォンで写して、画面の中に出てくるキャラクターを捕まえるというものでした。
通勤中のサラリーマンとか、今でもやってる人いるね。
MR(Mixed Reality:複合現実)
MR(複合現実)とは、ARの発展形とも言えます。
現実世界をVRゴーグルやスマートフォンに映し、映しだされたキャラクターや操作画面を、人の動きに合わせて表示し、操作することができます。
転生モノでよくある、「ステータスウィンドウ、オープン!」て言って操作するのはMR世界なら可能かも。
Meta社の「Meta Quest3」ではMR世界はすでに実用化されています。
Meta Quest3の動画は、Meta社のホームページを覗いてみてください。https://www.meta.com/jp/quest/quest-3/
技術(3DCGなど)面でのメタバース
スマートフォン画面、VRゴーグルにしても、メタバース空間に魅力がなくては普及しないでしょう。
ゲームであれば、「Mine Craft」のように、解像度はそこまで高くなくとも、内容がおもしろければ流行ります。
しかし、ゲームのグラフィックは高い方が望ましく、先に説明したような、「Unreal Engine」や「Unity」、「CRETA 」のゲーム画面はいずれも現実世界に近いような3DCGを搭載しており、
なおかつ、作りやすく、スマートフォンのような一般のデバイスでも問題なく稼働します。
そのため、3DCGなどの技術は発展傾向にあります。
モーションキャプチャー
VRゴーグルなどを利用したメタバースでは、自分のアバターを作り、そこで自分の動きを再現するとよりリアリティが高まります。
モーションキャプチャーとは、人間の動きをデジタルデータ化し、アバターやキャラクターに適用する技術のことです。
Vtuberなどの動きに使われているね
体にマーカーし動きをトレースする技術、動く方向を予想して動く技術、AIで動きを推定する技術などいろいろあります。
が、実用化され、一般に販売されているものは、SONYから発売されている「mocopi」や株式会社Shifallの「HaritoraX」などがあります。
いずれもVRゴーグルとセットで使用し、スマートフォンアプリやMeta Questとの連携が可能です。
機器があればメタバース空間で遊べるね。
同時接続
メタバースに入っても、カクカクしてたら誰も遊ばないよねぇ
TVアニメでも放送された、「この世界は不完全すぎる」では、グラフィックが重すぎて、アバターがポリゴン化し、身動きが取れなくなるという現象が起きてました。
セカンドライフが衰退した理由の一つに同時接続人数が少なすぎるという問題もあったため、無視できない現象です。
VRチャット
「VRチャット」では、2024年1月現在で同時接続数10万人を突破しています。
VRチャットの普及にはMeta社の「Meta Quest」の発売が大きく関係しているようですが、いくらハードとソフトがよくても、接続できる利用者が限定されていては拡大は望めません。
その点に関しては、今後より多くの接続者数を増やすための技術革新がおきると思います。
・参考記事
Fortnite
世界的人気を誇るFortniteのユーザー数は、2024年で6億人を超え、最大同時接続数は2023年11月の約600万人(非公式トラッカーサイト)。
桁が違うぜ
もう、メタバースの参入はFortniteのプラットフォーム使わせてもらえばいいんじゃない?とまで思います。
メタバースでの商機はいち早くユーザーを獲得することにありますが、これに技術がついていくのは必須と言えます。
3DCG
「メタバースの発展には3DCGが不可欠」と言われます。進化の最終形態の一つは映画「マトリックス」だと思います。
現実世界と仮想世界の区別がつかなくなるほどのグラフィックができ、AIを使って自分以外の人がすべてNPC、自分の望む世界に浸れたとしたらどうなるか。
まあ、どっぷり浸かりますね
佐藤航陽さんは著書の「世界2.0」でこう言われています。
3DCGやVRの領域では、コンピュータの性能が足りずにクオリティを妥協しているところがほとんどで、仮に現在の1万倍の計算力を持つコンピュータが存在するならば、現実世界と遜色ないクオリティの仮想空間を作ってリアルタイムで動かすことも簡単にできるようになります。
引用:「世界2.0」メタバースの歩き方と創り方
クリエイターはクオリティを高める方向に進んでいるってことですねぇ
これは「量子コンピュータとの融合の可能性」の章で言われていることで、もちろん量子コンピュータが実現すればの話です。
少なくともこの言からすると、クリエイターはリアリティを求めているため、3DCGを突き詰めていく結果、いずれは現実世界と仮想世界の境が曖昧になるほどのメタバースが誕生する未来があると思います。
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